Excelの物品管理表からクラウドサービスへの移行
アストロラボ株式会社
企業において、物品管理は効率的な企業経営を支える不可欠な要素です。
従来、多くの企業が物品管理にExcelを使用してきましたが、Excelの物品管理表を使用した物品管理には限界があります。
本コラムでは、Excelの物品管理表を使用した物品管理の課題と、それを解決するためのクラウドベースの物品管理システム導入について説明します。
Excelの物品管理表における課題
手入力による時間と労力の増大
Excelベースの物品管理表では、以下の項目を手入力で登録・更新する必要があるため、時間と労力がかかります。
管理対象の物品数が多い場合、物品管理表の登録・更新にかかる時間と労力は膨大となります。
物品管理表の主な項目
・物品管理番号
・物品の名称
・物品カテゴリー
・メーカー
・非使用時の保管場所
・JANコード(わかれば)
・物品の型番
・物品のスペック情報(ノートPCなどの場合)
・購入日
・購入金額
・物品の状態(遊休、使用中、故障、修理中など)
・使用者(物品の状態が使用中の場合)
・使用場所
・使用開始日
・返却予定日
・返却日
・備考
入力ミスなどのヒューマンエラーの発生
Excelベースの物品管理表では、手入力で登録・更新する必要があるため、入力ミスや登録・更新漏れといったヒューマンエラーの発生リスクがあります。
入力ミスや登録・更新漏れにより、物品管理台帳データの正確性が損なわれ、無駄な物品購入や使用可能な物品を廃棄してしまうなど、誤った判断をくだしてしまうリスクがあります。
データの管理とアクセスの問題
Excelで作成された物品管理表は、大量のデータを効率的に扱うのに適していません。
Excelで作成された物品管理表は複数の利用者が同時にアクセスして更新することが困難で、リアルタイムデータの共有ができませんので、物品管理に関する迅速な意思決定ができません。
属人化によるブラックボックス化
Excelの物品管理表の更新作業は、特定の人物に情報が依存することが多く、属人化することが多いです。
例えば、担当者が何らかの理由で不在の場合、物品管理表の管理場所がすぐにわからないため、情報へのアクセスが困難になることがあります。
このように、物品管理表更新の属人化は、物品管理のブラックボックス化を招き、業務の効率性が低下してしまいます。
物品管理クラウドサービスのメリット
時間と労力の削減
物品管理クラウドサービスでは、物品情報の登録や更新が自動化され、手作業による物品情報の登録・更新が不要となるため、時間と労力を削減することができます。
例えば、物品のJANコードや製品ラベルを専用スマホアプリで読み取ることで、物品情報の自動入力・自動登録が可能となります。
他にも、ボタン一つで物品の貸し出し・返却が完了するなど、物品管理を効率化する機能が提供されています。
入力ミスなどのヒューマンエラーの防止
物品管理クラウドサービスでは、物品情報の登録や更新が自動化され、手作業による物品情報の登録・更新が不要となるため、入力ミスなどのヒューマンエラーが防止されます。
コスト削減
物品管理クラウドサービスでは入力ミスや登録・更新漏れなどのヒューマンエラーが防止されます。
これにより、物品管理データの正確性が保たれるため、使用可能な物品があるにもかかわらず新しい物品を購入してしまう無駄な物品の購入が防止され、金銭的コストを削減することができます。
また、物品管理クラウドサービスでは物品の使用者や保管場所を簡単に確認することができますので、物品の所在確認にかかる時間的コストを削減することができます。
リアルタイムのデータアクセスと更新
クラウドベースなので、どこからでも最新の情報にアクセスでき、更新がリアルタイムで反映されます。
また、複数人で同時に作業を行なってもデータの正確性が確保されます。
アクセシビリティの向上
インターネット環境があれば、どのデバイスからでも物品管理クラウドサービスを利用できます。
属人化とブラックボックス化を防止
物品管理クラウドサービスでは、物品の使用状況など物品にまつわる情報がすべて可視化されるため、属人化とブラックボックス化が防止されます。
導入事例
例えば、ある中堅企業では、クラウドベースの物品管理システムを導入することで、使用状況や使用可能な物品の数量といった物品管理データの正確性が大幅に向上しました。
これにより、無駄な物品の購入が減少し、コストが改善されました。
また、従業員はこれまで時間と労力をかけてきた物品データの更新作業から解放され、より戦略的な業務に集中できるようになりました。
物品管理クラウドサービスへの移行のポイント
物品管理クラウドサービスへの移行を成功させるためには、まず現在の物品管理業務のプロセスを詳細に分析し、どのような機能が必要かを明確にすることが重要です。
導入前には、従業員への十分なトレーニングと、システムのテスト運用を行うことが推奨されます。
また、信頼できるサービスプロバイダを選定し、サポート体制が整っているかを確認することも大切です。
まとめ
Excelの物品管理表からクラウドベースの物品管理システムへの移行は、企業にとって物品管理業務の改善に向けた大きな一歩ですが、適切に実施することで、物品管理の効率化だけでなく、全体的な業務効率の向上を実現できます。
このコラムが総務担当者の業務効率化に役立てば幸いです。