棚卸しとは？基本から具体的な方法まで詳しく解説

備品の棚卸しとは、備品の状態や使用者、保管場所、備品在庫数量などを正確に把握するための作業です。定期的な備品の棚卸しができていないと、備品の正確な状態を把握できず、修理や買い替えなどの対応が遅れたり、備品の在庫数量が不明確なことで備品の無駄な購入をしてしまいコストが増大するといった問題が起こることがあります。

また、棚卸しは企業の財務状況を正確に反映させるために欠かせない業務です。備品の資産価値を正確に把握することで、経営判断に必要な情報を適切に提供し、資産の過不足を防ぐことができます。棚卸しのプロセスでは、物品や備品の状態を確認し、必要に応じて修理やメンテナンスを行うことで、備品や物品の劣化を防ぐことができるため、長期的なコスト削減にもつながります。

棚卸しの方法には、帳簿棚卸と実地棚卸があります。帳簿棚卸では、備品管理台帳などの帳簿上の備品在庫数量と実際の備品在庫数量を照合し、不一致がないか確認します。一方、実地棚卸では、実際に現場で商品を見て備品在庫数量や物品の状態を確認します。これにより、帳簿上のデータと実際のデータとの差異を解消し、より正確な備品管理が可能になります。

棚卸しの効率化を図るためには、最新技術の導入も効果的です。QRコードやRFIDを活用することで、物品の管理がより効率的かつ正確になります。また、備品管理システムを導入することで、リアルタイムでのデータ共有が可能となり、業務効率を大幅に向上させることができます。定期的な棚卸しスケジュールを設定し、計画的に実施することも重要です。これにより、常に最新の備品在庫情報を維持し、管理の透明性と情報の信頼性を高めることができます。

本記事では、備品管理における棚卸しの基本から具体的な方法、課題や効率化の手法までわかりやすく解説します。

棚卸しとは

棚卸しとは、会社や組織が所有する備品の数量や状態を確認し、記録する作業を指します。たとえば、備品の実際の数と備品管理台帳に記録されている備品の数が一致しているかを確認することで、備品在庫数の正確な管理が可能になります。また、棚卸しは、物品の物理的な確認だけでなく、その結果を「棚卸報告書」としてまとめ、経営者や関係部署に報告することが求められます。棚卸しとは、日々の備品管理だけでなく、会社の財務報告や経営方針に直接影響するため、大規模な会社や製造業では特に重要な業務の一つとなっています。

棚卸しとは、定期的に行われることが多い作業で、年に一度の決算棚卸しや、四半期ごとの棚卸しが一般的です。これにより、会社は備品の在庫評価の正確性を確保し、資産の管理を効率的に行うことができます。棚卸しのやり方には、実際に手元にある物品を確認する「実地棚卸」や、システム上でのデータと実際の在庫を在庫数や状態を照合する「帳簿棚卸」などの方法があります。それぞれのやり方にはメリットとデメリットがあり、会社の規模や業種によって適した方法を選択する必要があります。

また、棚卸しとは、単なる備品の状態確認だけでなく、会社の運営にとっても重要な役割を果たします。たとえば、棚卸しは備品の故障の早期発見や備品の私物化の防止、固定資産の減価償却額の適切な算出にも役立ちます。

さらに、棚卸しとは、経営判断や備品在庫数の適正化、適切なタイミングでの買い替えや廃棄といった、備品のライフサイクルの最適化にもつながります。

したがって、棚卸しとは、会社の運営やリスク管理の観点からも、効率化が非常に重要です。

棚卸しの目的

棚卸しとは、どのような目的で行われる業務なのでしょうか？具体的に説明します。

1. 備品在庫数の最適化

棚卸しとは、備品の数量や状態を確認し記録する作業ですので、定期的に実施することで、無駄な備品の購入を防ぐ役割を果たします。これにより、必要な備品が不足するリスクを軽減し、備品在庫の過不足を防ぐための適切な購入計画を立てることが可能となります。また、備品在庫の最適化は、倉庫や保管スペースの効率的な利用にも寄与し、管理コストの削減につながります。

2. 不正防止

棚卸しとは、不正防止にも役立つ業務です。備品の盗難や私的流用は、不正転売や重要情報の流出という点でセキュリティリスクがあります。例えば、特定の備品在庫数量と備品管理台帳上の数が合わない場合、誰かが備品を不正に持ち出した可能性があります。定期的な棚卸しを行うことで、備品管理データの正確性が高まり、不正が抑止される効果があります。

3.  コスト削減

棚卸しとは、コスト削減の観点でも重要な業務です。定期的に棚卸しを行うことで、実際に使用されている備品や、あまり使われていない備品を明らかにできます。これにより、不要な備品の購入を避けることができ、適正なコスト管理が簡単に可能になります。さらに、使用頻度の少ない備品については購入頻度を見直すことで、管理コスト全体の削減にもつながります。

4. 資産価値の把握

備品管理において、定期的な棚卸しとは、資産価値の把握にも役立つ業務です。会社が保有する備品は資産として評価されることが多く、棚卸しにより実際の備品数量と備品管理台帳上の備品数量を照合することができます。これは財務管理や税務においても重要であり、備品の現状を正確に把握することで、適切な会計処理が実施されます。特に、会計年度末の棚卸しは備品管理台帳の正確性を高め、備品の価値を正確に報告するための重要な作業です。

5. 備品の状態確認と維持

備品の棚卸しとは、備品の数量だけでなく、備品が正常に機能するかどうかも確認する業務です。例えば、劣化している備品や破損した備品が見つかった場合、速やかに修理や交換を行うことで業務の効率を維持できます。これにより、備品が業務に支障をきたすことなく使用でき、計画的なメンテナンスや買い替えの計画を立てることが可能です。また、古い備品の処分も同時に行うことで、備品のライフサイクル管理にも役立ちます。

棚卸しの重要性

棚卸しとは、企業においてどのような点で重要なのでしょうか？棚卸しの重要性について具体的に説明します。

1. 業務効率化

棚卸しとは、備品の数量や状態を把握することで、必要な備品がいつでも揃っている状況を維持することです。たとえば、業務で急に必要になった備品が不足していたり、破損して使えない状態ではビジネスが滞ることがあります。棚卸しを実施することによって定期的に備品の在庫や状態を確認しておくことで、必要な備品が不足なく、また適切な状態で保管されるよう管理でき、業務効率化につながります。

2. コスト削減

棚卸しとは、備品の状態や数量を正確に把握することで、必要以上の備品が保管されていないか、不必要に管理費がかかっていないかを確認する作業でもあります。例えば、使用頻度が低い備品やすでに不要な備品が多く保管されていると、倉庫スペースを取るだけでなく、管理のためのコストがかかり、無駄が生じます。棚卸しを実施して適切な在庫水準を維持することで、管理コストを削減できます。

3. 不正防止とリスク管理

棚卸しとは、不正や紛失のリスクを低減するための方法でもあります。定期的に備品の在庫を確認していないと、不正に持ち出されたり、紛失していても気付かない問題が起こる場合があります。棚卸しを行うことで、帳簿上の在庫と実際の在庫の差異を発見しやすくなり、不正や損失を防止する効果が期待されます。特に高価な資産や消耗しやすい品においては、紛失や不正のリスク管理が重要です。

4. 財務管理と正確な資産把握

棚卸しによって、会社の備品を資産として正確に把握し、財務報告に反映できます。会社が保有する備品の数量や価値を正確に知ることは、財務管理や税務上の処理にも大切です。棚卸しを行わないと、実際の資産価値と帳簿上の資産価値が乖離し、企業の財務状況が正確に反映されない問題が起こる可能性があります。棚卸しによって備品の価値を正確に評価することで、資産の透明性が高まり、信頼性のある財務情報の提供が可能になります。

5. 継続的なメンテナンスと備品の状態管理

棚卸しとは、備品の状態を継続的に確認する機会でもあります。定期的な棚卸しによって、破損や劣化が進んでいる備品を早期に調査し、修理や交換が可能となり、故障により備品が使えなくなるリスクを低減できます。また、メンテナンス計画を立てる上でも役立ち、備品の寿命を延ばし、長期間にわたって管理できるようにすることも棚卸しの重要な役割です。

6. 運営の透明性と信頼性の向上

棚卸しとは、定期的に実施することで備品管理に関するデータを正確に管理し、会社の運営の透明性と信頼性を高めるための重要な業務です。社内の誰もが備品の現状を正確に把握でき、適切に管理されていることが明らかになると、備品の使用に対する従業員の意識も向上します。特に、社外の利害関係者や監査においても、正確で透明性のある備品管理は会社の信頼を高める要素となり、健全な企業運営を示す証拠ともなります。

棚卸しの種類と方法

棚卸しとは、いくつかの方法がある作業です。企業や組織の規模、業種によって適した棚卸しの方法が異なるため、自社の状況に応じた選択が必要です。代表的な棚卸しの方法として、「実地棚卸」と「帳簿棚卸」があります。

実地棚卸

実地棚卸しとは、現場で実際に物品や備品を確認し、その数量や状態を記録する方法です。例えば、倉庫内にある備品在庫を直接確認し、数量や破損がないかを確認したりする作業がこれに該当します。

実地棚卸のメリット

備品在庫の実態を把握できる

実地棚卸しとは、実際の備品を確認することで誤差が少なく、正確な備品在庫状況を把握できる点にメリットがあります。特に製造業や流通業など、物理的な商品を大量に扱う会社では、欠かせない方法です。

不正や紛失の早期発見

実地棚卸しとは、定期的に実施することで、不正な持ち出しや備品の紛失を早期に発見できるメリットをもたらす業務です。特に高価な備品や頻繁に使用される備品については、不正防止や紛失対策の目的としても効果的な方法です。

備品の状態確認が可能

実地棚卸しとは、備品の数量だけでなく状態も確認する作業です。これにより、故障している備品や使用不可な備品を発見し、適切なメンテナンスや交換が効率的に行うことができます。備品の劣化状態を早期に把握できるため、長期的な備品の維持・管理に役立つ資産の評価が可能です。

実地棚卸のデメリット

時間や労力がかかる

実地棚卸しとは、一つ一つ手作業で備品を確認する業務のため、大量の備品がある場合は時間や労力がかかります。そのため、適切な人員や作業時間の確保が必要です。棚卸の範囲が広い場合は、棚卸を一度に全て行うのではなく、分割して計画的に実施することも考慮する必要があります。

棚卸し実施のタイミング

実地棚卸しとは、現場で実際に物品や備品を確認し、その数量や状態を記録する作業のため、実地棚卸の実施時期は業務の状況に応じて最適なタイミングを選ぶことが大切です。例えば、業務の閑散期や営業時間外に行うことで、棚卸しによるビジネスへの影響を最小限に抑えることができます。また、月次や四半期ごとなど、定期的なスケジュールを組むと、備品管理の精度を維持しやすくなります。

ヒューマンエラーのリスク

実地棚卸とは、手作業によりアナログな確認が中心の作業であるため、記録ミスや確認漏れなどのヒューマンエラーが発生する可能性があります。そのため、ダブルチェック体制を導入したり、バーコードリーダーを利用するなどの対策を講じることで、ミスを防ぎやすくなります。

実地棚卸の流れ

1. 棚卸表の作成

実地棚卸しとは、現場で実際に物品や備品を確認し、その数量や状態を記録する方法のため、事前に全ての物品や備品のリスト（棚卸表）を準備する必要があります。棚卸表には、物品の名称、管理番号、数量、使用者などの情報を含めます。

2. 物品の実地確認

実地棚卸しとは、現場で実際に物品や備品を確認し、その数量や状態を記録する作業です。担当者が棚卸表を持ち、実際に物品を一つ一つ確認し、数量や状態を記録します。この際、バーコードスキャナーやRFIDなどのデジタルツールを活用すると効率化できます。

3. 棚卸し結果の照合作業

実地棚卸しとは、現場で実際に物品や備品を確認し、その数量や状態を記録する棚卸し方法です。実地棚卸で確認した結果を帳簿やシステムのデータと照合します。誤差や不足があった場合は、その原因を調査し、必要に応じて是正します。

4. 棚卸報告書の作成

棚卸結果をまとめ、棚卸報告書を作成します。棚卸報告書には、実際の数と帳簿上の数の差異や物品の状態に関する情報を記載します。

帳簿棚卸

帳簿棚卸しとは、物品を直接確認せず、帳簿やシステム上のデータを基に棚卸しを行う方法です。システムで在庫を管理している会社では、帳簿棚卸が一般的です。

帳簿棚卸のメリット

業務負担の軽減

帳簿棚卸しとは、備品の実地確認を行わない棚卸し方法であるため、短時間で作業を完了できます。特に大量の備品がある場合や、遠隔地にある備品についても、現場に出向くことなく管理できるため、業務負担を軽減する効果があります。

備品在庫データの効率的な管理

帳簿棚卸しとは、備品を直接確認せず、帳簿やシステム上のデータを基に棚卸しを行う棚卸し方法です。そのため、備品管理システムや会計ソフトと連携することで、備品の在庫状況や使用頻度を自動的に反映でき、リアルタイムでデータをわかりやすく把握できます。これにより、データ更新の手間を削減し、正確な備品管理がスムーズに行えます。

財務管理の向上

帳簿棚卸しとは、備品を直接確認せず、帳簿やシステム上のデータを基に棚卸しを行う棚卸しのやり方です。帳簿上で在庫の増減やコストが正確に把握できるため、財務報告における備品の資産価値の算定もスムーズに行えます。会社の備品がどの程度の資産価値を持つかを把握することができ、財務面での透明性や信頼性が向上します。

帳簿棚卸のデメリット

実際の在庫とのズレ

帳簿棚卸しとは、あくまで備品管理台帳やシステムの帳簿データの確認にとどまる棚卸し方法のため、帳簿上の備品在庫数と実際の備品在庫数にズレが起こることがあります。このため、定期的に実地棚卸を実施し、帳簿棚卸で確認したデータと照合し、データの整合性を保つことが重要です。

不正や紛失のリスクを把握しにくい

帳簿棚卸しとは、備品を直接確認せず、帳簿やシステム上のデータを基に棚卸しを行う棚卸し方法であるため、帳簿上のデータだけでは、実際の備品の紛失や不正使用、劣化状態を把握するのが問題として起こることが多いです。実際の備品がどのような状態にあるか確認することができないため、実地棚卸を併用し、備品の状態を正確に把握することがビジネスにおいて重要です。

古いデータのままの管理リスク

帳簿棚卸しとは、備品管理台帳やシステムのデータが最新であることが前提の棚卸し方法です。帳簿上のデータが古く、最新の状況を反映していない場合、備品在庫数や備品の状態に問題が起こることがあります。そのため、データが自動的に更新される備品管理システムを導入し、備品の貸出や新規登録のたびに、データがリアルタイムに反映されるようにするのが効率的です。

帳簿棚卸の手順

1. 帳簿データの確認

帳簿棚卸しとは、備品を直接確認せず、帳簿やシステム上のデータを基に棚卸しを行う方法であるため、まず、備品管理台帳やシステムから備品のデータを抽出する必要があります。このデータには、各備品の種類、備品管理番号、備品の名称、数量、購入日、使用者、保管場所などが含まれており、会社全体の備品在庫状況が把握できるようになっています。

2. データの分析 

帳簿棚卸しとは、帳簿やシステム上のデータを基に棚卸しを行う方法であるため、抽出した備品管理データを調査し、不自然な在庫数の増減や不足がないかを確認します。備品在庫数が短期間で急増または急減している場合は、無駄な在庫が発生していないか、または、不正使用や紛失が発生していないかを確認します。また、低い使用頻度の備品が多く保管されている場合は、管理コストが増加している可能性があるため、その管理方法を再検討します。

3. 帳簿データの更新

帳簿棚卸しとは、帳簿やシステム上のデータを基に棚卸しを行う方法であるため、必要に応じて帳簿上のデータを修正する必要があります。例えば、棚卸し時点での備品在庫数と実際の備品在庫数が異なる場合には、原因を確認し、不一致が生じた場合の理由を記録・報告します。また、消耗や劣化している備品についても状態を反映し、帳簿上に正確な備品在庫データを残すようにします。

4. 棚卸報告書作成と対策検討

帳簿棚卸しとは、帳簿やシステム上のデータを基に棚卸しを行う方法であるため、帳簿棚卸の結果を棚卸報告書にまとめ、データの更新履歴や不一致の原因、次回の改善策などを記録する必要があります。また、備品在庫管理の問題点が見つかった場合は、その対策として備品在庫の最適化や備品管理の見直しも検討します。

棚卸しの具体的な方法

棚卸しとは、いくつかの方法がある作業ですが、ここで一般的な棚卸しの方法について述べます。

1. 棚卸対象備品リスト（棚卸表）の作成

棚卸しとは、会社や組織が所有する備品の数量や状態を確認し、記録する作業ですので、まず、棚卸作業の対象となる備品リスト（棚卸表）を作成することが必要です。棚卸表には、物品の名称、管理番号、数量、使用者などの情報を含めます。

2. 棚卸計画の立案

棚卸しとは、会社や組織が所有する備品の数量や状態を確認し、記録する作業のため、棚卸し対象の備品が多い場合は時間がかかります。そのため、棚卸作業を行うタイミングや範囲を事前に計画します。企業によっては、毎月行う場合もあれば、決算期ごとや年に一度行うこともあります。計画的に実施することで、棚卸作業の効率化を図ることができます。

3. 担当者の割り当て

棚卸しとは、複数人で進めることが多い作業です。物品の種類や量に応じて棚卸担当者を割り当て、各メンバーが効率よく作業を進めることができるようにします。

4. 棚卸作業の実施

棚卸しとは、会社や組織が所有する備品の数量や状態を確認し、記録する作業です。実際の棚卸し作業では、事前に準備した棚卸表や専用ツールを使って、実地で物品の確認を行います。在庫の数量や状態を正確に把握します。

5. 棚卸報告書の作成

棚卸しとは、棚卸結果を簡単にまとめ、棚卸報告書を作成する必要がある作業です。棚卸報告書には、実際の数量と備品管理台帳の数の差異や物品の状態に関する情報をわかりやすく記載します。

棚卸しの課題

棚卸しとは、備品管理において重要な業務ですが、いくつか課題があります。

1. 手間と時間がかかる

棚卸しとは、会社や組織が所有する備品の数量や状態を確認し記録するため、実施に手間と時間がかかります。特に、紙やエクセルで作成した備品リストを元に棚卸し作業を行う場合、手作業で備品の状態や備品在庫数量などを記録する必要があるため、作業効率が低くなり、手間と時間がかかります。

2. 入力ミスなどのヒューマンエラー

棚卸しとは、会社や組織が所有する備品の数量や状態を確認し記録するため、手作業で棚卸しを実施している会社はまだまだ多いです。特に、紙やエクセルで作成した備品リストを元に棚卸し作業を行う場合、手作業で備品の状態や在庫数量などを記録する必要があるため、入力ミスなどのヒューマンエラーが起こる問題があります。ヒューマンエラーにより、棚卸し結果が実際と異なるものとなり、間違った判断を下して余計なコストが増えてしまう可能性があります。

3. リアルタイムでのデータ共有が困難

棚卸しとは、備品の数量や状態を確認し記録する作業であるため、手作業で実施することが多いです。紙やエクセルで作成した備品リストで棚卸し作業を実施する場合、複数人で同時に更新することが困難であるため、最新の棚卸結果をリアルタイムで共有することが困難です。

棚卸しの効率化

1. QRコードやRFIDの導入

QRコードは、二次元のマトリックスコードであり、バーコードに比べて多くの情報を持たせることができ、在庫管理に有用です。例えば、備品の名前だけでなく、使用者や保管場所、使用開始日などの詳細情報も格納することが可能で、棚卸しとは関連性があります。また、スマートフォンやタブレットで簡単に読み取れるため、ITに詳しくない人でも使いやすいのが特徴で、導入もスムーズに行えます。QRコード付きの備品管理シールをスマートフォンやタブレットで読み取るだけで棚卸し作業が完了しますので、作業を効率化し、棚卸し方法としても有効です。

RFIDは、無線通信により複数の物品の情報を一括で取得できるため、大量の備品を効率的に管理でき、棚卸しにおける問題を解決します。特に大規模な倉庫や工場での備品管理において、RFIDは非常に効果的で、棚卸し業務をスムーズにします。RFIDの特徴は棚卸作業にも活かすことができ、専用リーダーで読み取るだけで、大量の備品の棚卸作業を一気に完了することができます。

2. 備品管理システムの導入

棚卸しとは、手作業で行われることが多い作業のため、備品管理システムを導入することも効果的です。備品管理システムの棚卸機能を活用することで、手作業による記録が不要となるため、入力ミスなどのヒューマンエラーが低減されます。また、棚卸し結果がリアルタイムでデータベースに登録されるため、常に最新の棚卸し結果を確認することができます。さらに、QRコードやRFIDと連携している備品管理システムもあり、棚卸し作業を更に効率化することができます。

クラウド型備品管理システムの場合は、インターネットに接続可能な環境であればどこからでもアクセスすることができるため、リモートワーク環境での棚卸しも可能です。

3. 定期的な棚卸しスケジュールの設定

棚卸しとは、多くの時間を費やす業務であるため、定期的な棚卸しスケジュールを設定し、備品管理担当者の間で共通の認識を持つことが必要です。定期的な棚卸しスケジュールを設定することで、作業当日から逆算して計画を立てることができ、作業も明確化されます。

棚卸しの効率化なら『備品管理クラウド』

アストロラボ株式会社が提供する『備品管理クラウド』は、「棚卸はみんなで」をテーマに、チーム全体が協力して効率的に棚卸を行うことができる機能を提供しています。各メンバーは使用している備品を確認・更新することで、迅速で正確な棚卸しが実現され、棚卸が簡単にスムーズに行うことができます。

『備品管理クラウド』の棚卸しとは？

棚卸しとは、会社や組織が所有する備品の数量や状態を確認し記録する作業であるため、会社の総務部門の担当者が会社のすべての備品の棚卸し作業を行う場合が多いです。

一方、『備品管理クラウド』の棚卸しとは、「棚卸はみんなで」をテーマに、全社員が協力して効率的に棚卸しを行うことを指します。

備品管理クラウドの棚卸の流れ

1. 棚卸計画

棚卸管理者が、どの場所でどのアイテムの棚卸を、誰が担当するのかを計画します。

2. 棚卸の依頼

棚卸計画が作成されると、棚卸担当宛てに棚卸実施依頼のメールが届きます。

3. 棚卸の実施・報告

棚卸担当者は、棚卸実施依頼のメールに記載されているリンクをクリックして、備品の状態を報告。
備品に問題なければ、ボタン一つをクリックするだけで簡単に棚卸が完了します。

4. 棚卸の進捗確認

棚卸の進捗は管理画面から円グラフで簡単に確認することができます。

このように、『備品管理クラウド』は、棚卸機能を通じて棚卸業務の効率化をサポートします。

『備品管理クラウド』に少しでも興味を持たれた場合は、下記よりお気軽にお問い合わせください。

まとめ

棚卸しとは、会社の資産管理や決算において重要な役割を果たす業務です。定期的な棚卸しを実施し、実地確認や帳簿照合作業をスムーズに進めることで、企業の資産を適正に管理し、ビジネス上の問題を軽減することができます。また、近年では棚卸しのデジタル化が進み、より効率的な棚卸し作業が簡単に可能になっています。企業の規模や業種に応じた適切な棚卸し方法を選択し、正確な資産管理を実現しましょう。