備品管理の基本と効率化の鍵
アストロラボ株式会社
あなたの会社では、社内にある備品は十分に管理されていますか?
備品管理は備品の把握や整理、台帳の作成、棚卸など、やることが多く大変で面倒な作業だと思われているのではないでしょうか。オフィス内だけでなく、営業が持ち回るものだったり、倉庫や、他社への貸出する備品もありますね。
備品が適切に管理されていないと、備品の紛失や無駄な備品の購入などが発生するリスクだけではなく、最近では会社の危機管理やガバナンス問題にも繋がってきています。
本コラムでは、適切な会社の備品管理方法と業務効率化のコツをご紹介します。
ちょっとした備品管理のコツや工夫が、普段から備品管理・物品管理に携わっている方、企業の総務部門担当の社員の方のご参考になれば幸いです。
備品管理とは?
パソコン、マウス、キーボード、椅子、デスクなど、オフィスにあるすべての「モノ」は「オフィス備品」と呼ばれます。また、営業車両やその他社用車やETCカードや制服も会社の備品です。
これら備品の保管場所、使用者、使用状況、備品の状態などあらゆる情報を台帳管理することを備品管理といいます。
なぜ会社は備品管理が必要?
現代の企業において、備品管理が必要とされている大きな理由として
・備品を大切に扱うため
・備品をすぐに探せるようにするため
・無駄買いをなくすため
・不正を防ぐため
の4つが挙げられます。
しかし、会社の備品管理と一口に言ってもさまざまな方法があり、適切に管理されていないと、あらゆるトラブルのリスクが高まります。
まずは、この4つの点について、備品管理に関して起こりがちなトラブルとともに詳しく解説していきます。
「備品を大切に扱うため」とは?
「会議の時にマイクとハブを持っていって返さない社員がいる」
「社用スマートフォンと一緒に充電ケーブルも渡しているが、充電ケーブルだけ返却されないことが多い…」
「オンライン会議用に貸与しているワイヤレスヘッドフォンが昨年だけで5台も紛失していた…」
このような社内の備品に関するトラブルに心当たりはありませんか?
実際にこのようなトラブルは、適切に備品管理がされていない企業で多く発生しています。
備品を使う社員が責任を持って考え、今よりも大切に扱い、管理することで無くしたり、壊したりすることが減るのではないでしょうか。
「備品をすぐ探せるようにするため」とは?
テスト用のパソコンを借りたいと思った時に、保管場所がわからなくなったり、どのパソコンが自分の目的・用途に合っているかがわからない、なんてことが起きたという経験はありませんか?
これも備品管理の際に起こりがちなトラブルの一つです。置き場所だけではなく、スペック情報やインストールソフトの情報などの情報も一緒に管理していれば簡単に見つけることができます。必要な時に使いたい備品をすぐに見つけることができるようになれば無駄な時間もストレスもなくなります。
「無駄買いをなくすため」とは?
備品管理が適切に管理されていないことで起こりがちなトラブルとして、
保管されている備品がわからないために、保管庫にあるのにもかかわらず、また同じものを新たに購入してしまったり、使いたい備品そのものが社内にあるということがわかっていても保管場所がわからず見つからないので結局同じものを買う羽目になった、などの事例が挙げられます。
経費削減が求められる中、無駄な備品購入は誰しもが避けたいと考えるのではないでしょうか。
「不正を防ぐため」とは?
備品と一口に言っても様々なものが挙げられますが、固定資産だけではなく、金額の大小に限らず全ての備品は「会社の資産である」ということです。
備品が適切に管理されていなかった場合、たとえば社員・従業員が業務とは関係ないものを関係あると偽り、経費で購入しても会社が把握できないという事態が起こる恐れがあります。
また、「パソコンの機種変更の際、古い機種の回収が確実に行われておらず、新旧2台もったままの社員がいる」というようなケースでは、古い機種を社員が持って帰りフリマサイトで販売しても問題の特定ができません。
横領や不正を防ぐには、購入した物品を適切に管理、また管理状況を社内で共有することが重要な鍵となります。
備品管理における起こりがちなトラブルをご紹介しましたが、これらのトラブルは少しの工夫で簡単に避けられるようになるということをご存知でしょうか。
備品管理を始めるポイント
会社での備品管理が大切なのは理解できたけれど、何から手をつけたらいいのか全く想像がつかない…
会社は見渡すと備品だらけなので、こう考える方も少なくないのではないでしょうか。
そのため、ここでは備品管理を始める際のポイントをご紹介します。
・備品管理の対象アイテムを絞る
・まずはすぐに始めてみる
上記の2つが備品管理をうまく始める鍵となります。
それぞれ詳しく解説していきます。
備品管理の対象アイテムを絞るには?
「備品管理」と聞くと備品の登録がゴールだと思われてしまいがちですが、まずは効果をより早く実感することが大切です。
そのため、管理対象を絞っても早急に始めることが大切です。なぜなら、多くの備品は数年で買い替えたり処分したりするため、新しく買ったものを登録しさえすれば時間が経てばほとんどの備品が管理対象となるからです。それに加えて不正が起こりやすい備品や高額な備品に絞って管理をはじめるのがコツです。
アイテムを絞る3つの基準
(1) 数が多いもの:パソコンなどのように全社員に支給されているもの
(2) なくなりやすいもの:充電タップやイヤホンなど、貸出回数の多いものや社外に持ち出すことが多いもの。
(3) 場所が固定のもの:複合機やオフィス什器等設置場所が固定で貸出しないもの
アイテムを絞る基準として、この3つが挙げられます。
このような備品から登録を始めてみることで備品登録を効率的に進めることができ、また、効果が実感しやすいです。
ランキングを思い浮かべてみる
数が多いもの、なくなりやすいもの、といっても膨大な種類のアイテムを抱える企業にとっては気が遠くなる作業に感じてしまうのではないでしょうか。
そういった場合には、TOP5程度で三つの基準のランキングを思い浮かべてみることが大切です。
このように始めることで、最初に述べた備品管理が必要とされる理由の四つの効果が分かりやすくなります。
「まずはすぐに始めてみる」とは?
まずはとにかくすぐに始めてみることで、無駄を一秒でも早く減らすことができます。
備品管理の具体的な始め方
では、実際に企業での備品管理を始める際の具体的な手順について詳しく解説していきます。
1. 管理対象の備品を決める
どこの企業でも、一定周期で固定資産の棚卸は行われているのではないかと思います。その際に備品管理の管理対象にするものの整理を行えば、備品管理がスムーズに始められます。もし、もう使われていない備品があれば処分・売却を行いましょう。
2. 保管場所を決める
保管場所が複数ある場合、備品をどこに置くのか決める必要があります。
使う頻度やどのように使われているのかなど、保管場所を決めましょう。
3. 管理が必要な項目を決める
使いたい時にその時の用途に合った備品をすぐに探し出せるようにするためには、登録の際にアイテムごとに必要な項目(スペック情報)を登録しておくことが大切です。
たとえばノートPCの場合、機種、CPU、メモリなどのスペックが必要な項目とされます。
4. 管理台帳を作成する
備品の管理台帳を作成し、「どこに」「誰が」「何を」「どれだけ」管理しているのかなどを記載する必要があります。
管理台帳は紙媒体やエクセル、クラウドなど様々な方法が存在していますが一元管理することがものが無くならないようにするためのポイントです。
5. マニュアルを作成する
一般的に、新しい方法を導入・運用する際、やり方やルールが統一されていないことにより混乱が起きたり、トラブルが発生する恐れがあります。備品管理における一番のトラブルは担当者の退社や忙しさで備品管理が途中やめになることです。
そういった事態を避けるためにも、備品管理に関するマニュアルを作成し、社内全体に共有することがおすすめです。
備品管理の管理台帳のツールは何がある?
備品管理の具体的な始め方として、「管理台帳を作成する」とご紹介しましたが、管理台帳は様々な媒体が存在しています。
主に使われている4つの備品管理ツールをメリット・デメリットとともにご紹介していきます。
紙の台帳
メリット
すぐに始められる、パソコンがいらない
デメリット
労力と手間がかかる、離れた場所や在宅環境のものを管理するのは困難
Excel・スプレッドシート
メリット
仕事で慣れている人が多く取り組みやすい、すでに使っていれば追加のランニングコストがいらない
デメリット
登録が大変、画像が扱いづらい、複数人での管理が困難
インストール型備品管理ソフト
メリット
ネット環境に影響されにくい、備品管理をしやすいように項目が決まっている、複数人で使える、棚卸機能がある
デメリット
パソコンからしかアクセスできない、バージョンアップが必要、インストールされたパソコンやサーバーにアクセスできる特定の担当しか管理できない、コストが比較的かかる
クラウド型備品管理ソフト
メリット
備品登録の自動化支援機能がついてるものもあり備品登録が簡単、備品の種類毎に管理項目が違っても問題ない、複数のデバイスから使用できる、複数の担当が管理できる、全社で管理できるので一元管理しやすい
デメリット
費用は安めではあるが、紙やエクセルに比べるとコストがかかってしまう
結局どのツールを使えばいいの?
備品管理を行うことで業務効率の改善や経費削減をしたいという方には、クラウド型備品管理ソフトがおすすめです。
備品管理クラウドの台帳登録には自動登録支援機能があり、JANコードや製品ラベルを専用スマートフォンで撮影することで簡単に、メーカーからスペック情報まで自動で登録することができます。
また、備品を使用する本人が棚卸を行うことで管理部門の負担が激減し、利用者の責任感の向上にも繋がります。
つまずきがちなポイントを克服するコツ
クラウド型の備品管理の導入を始めたくてもなかなか始められない多くの企業にありがちな理由として、
・まとまった時間が取れない
・備品を全て登録するのは気が遠くなる
・興味はあるが現時点で他の方法で管理している
という理由が挙げられます。
しかし、これらは少しの工夫で簡単に解決することができます。
そこで、備品管理クラウドを使って、これらの問題を解決するためのコツをご紹介していきます。
登録代行業者を利用して効率化
登録代行業者というものが存在しているのはご存知でしょうか?
備品が多くなればなるほど、かかる時間と労力も多くなります。
そういった場合、登録代行業者を使って備品管理を短期間で登録してしまって備品管理をスタートさせるというのも一つの効率的な手段です。
登録代行業者に依頼した場合、たとえば、1名あたりで1日100アイテムの登録ができるとします。
そうした場合、3名体制であれば、1日×3人×100アイテム=300アイテムとなり、1日で300アイテムの登録ができます。つまり、5日間で1500ものアイテムの登録が可能となります。
20万〜50万円程度で依頼ができるため、備品管理を始めないまま無駄な時間・コストが出続けるよりは登録代行業者に依頼してより早く備品管理を始める方がコスト削減効果が高くなります。
新規備品も代行登録
備品管理クラウドには、納品書をアップロードすれば、担当者に代わって台帳登録をしてくれるサービスもあります。アルバイトを雇って備品を台帳登録するよりも安価なので是非使ってみましょう。
管理ツールの切り替え
「現在使っている備品管理のツールに不満があり、クラウド上での備品管理に興味があるけれど今までの管理が無駄になるのは嫌だ」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
しかし、備品管理クラウドでは今まで使っていたExcel(スプレッドシート)を簡単に取り込むことができるため、そのような心配をする必要はございません。
他のインストール型備品管理ソフトを使っていた場合でも、一度エクスポートしたデータをExcelに取り込み、備品管理クラウドにインポートすることができます。
備品管理クラウドでは、オフィス備品だけでなく、IT資産やリース資産、固定資産、鍵、書籍、工具、車両、消耗品などあらゆるモノの一元管理が可能です。
また、棚卸、修理記録、買い替えのアラート、償却資産管理ソフトのデータとの連携、スケジュール管理など多くの機能があるというのも備品管理クラウドの大きな特徴です。シングルサインオンでユーザー登録もできるため、あっという間に利用開始できてしまいます。
まとめ
本コラムでは備品管理の業務の効率化の方法とコツについてご紹介しました。
一歩先の備品管理で、より明るく、効率的な未来を築いていきましょう!