固定資産管理における部署の重要性と効率的な運営

会社の大切な財産である固定資産。固定資産を正確に管理するためには「棚卸し」作業が欠かせません。また、「棚卸し」作業を効率的に行うためには「管理ラベル」の貼り付けも重要です。

では、この「棚卸し」や「管理ラベルの貼り付け」などの備品管理業務は、どの部署が行う作業なのでしょうか？

この記事では、固定資産管理を担う部署の役割、管理における課題と効率化の手法、そして最新の管理ツールや技術について深掘りし、固定資産管理がどのように企業の経営に貢献しているのかをご説明します。

固定資産管理とは

固定資産管理とは、企業や組織が保有する固定資産を取得から廃棄まで管理する一連の業務を指します。企業が保有する固定資産には建物や土地、設備、車両、IT機器など多岐にわたるものが含まれ、これらを適切に管理することが求められます。

固定資産とは

固定資産とは、長期間にわたり使用するために取得された資産のことを指し、一般的に1年以上の耐用年数があり、かつ高額なものが対象となります。たとえば、以下のようなものが固定資産に分類されます。

不動産資産

建物や土地など

設備資産

機械装置、製造機器、IT機器

車両

営業車両や運搬車

その他

オフィス家具、備品など

固定資産は、企業の財務状況に影響を与えるため、固定資産管理では財務・会計部門との連携も不可欠です。

固定資産管理の目的

固定資産管理の主な目的は、以下の3つに集約されます。

資産の適切な保守と活用

資産を効率的に利用することは、企業の収益性に直接影響します。例えば、設備が故障したり、使われていない資産が放置されていたりすると、企業の運営コストが増加し、利益を圧迫します。そのため、資産の定期的なメンテナンスと更新が重要です。

法的・規制の遵守

固定資産は法的な規制に従って管理される必要があります。特に、税務上の処理や会計基準に従った資産の評価・減価償却が行われなければ、法的リスクが生じる可能性があります。

棚卸の効率化と正確性の向上

固定資産管理の目的の一つに、資産の所在や状態を正確に把握することがあります。これにより、不要な資産の保有を避け、資産の有効活用を促進します。棚卸作業の効率化や、ICタグの導入による資産追跡システムの活用がその一例です。

固定資産管理の重要性

固定資産管理は、企業の資産管理全体において非常に重要な役割を担っています。特に、以下の理由からその重要性が強調されます。

財務管理への影響

固定資産は企業のバランスシートに計上され、企業価値に直接影響を与えます。そのため、正確な固定資産管理が行われないと、資産価値の過小評価や過大評価が発生し、経営判断を誤るリスクが生じます。

コスト削減のための管理

企業が保有する全ての資産を効率的に管理することで、無駄なコストを削減できます。例えば、不要な資産を処分し、新しい設備や機器を導入するための資金を確保することが可能です。

リスク管理の強化

資産の老朽化や故障が事業の中断を引き起こすことがあります。固定資産管理を徹底することで、こうしたリスクを未然に防ぎ、事業の継続性を確保します。

固定資産管理を行う部署の役割

固定資産管理を担当する部署は、企業の資産を効果的に活用し、維持するために重要な役割を果たします。この部署の業務は、多岐にわたり、次のような役割を担っています。

資産の取得と登録

新たな資産を購入した際、その資産を管理台帳に登録し、企業の所有資産として記録する必要があります。この際に重要となるのが「固定資産管理台帳」です。固定資産管理台帳には、資産の取得日、取得価格、耐用年数、減価償却の進行状況などが詳細に記録されます。

棚卸作業と資産の追跡

固定資産の棚卸作業は、資産の所在を確認し、その価値を正確に評価するために定期的に実施されます。この作業は手作業で行われる場合もありますが、近年ではICタグやRFID技術を活用した自動化が進んでおり、固定資産管理の効率化に貢献しています。

メンテナンスと修理のスケジュール管理

固定資産は劣化や故障が避けられないため、定期的なメンテナンスが不可欠です。修理や保守のタイミングを計画し、設備の停止時間を最小限に抑えることが求められます。こうした管理を支援する「固定資産管理アプリ」や「固定資産管理ソフト」が存在し、スケジュールの管理やコスト削減をサポートします。

固定資産管理の課題

固定資産管理には多くの課題が存在します。特に、以下の点がよく問題として挙げられます。

棚卸作業の非効率性

棚卸作業は従来、人手によって行われることが多く、時間がかかる上に人的ミスが発生しやすい点が課題です。多くの企業では手作業による棚卸が未だに主流ですが、これには時間とコストがかかるため、効率化の余地が大きいです。

資産の老朽化と更新の計画

固定資産は時間と共に劣化しますが、更新のタイミングを見誤ると、企業の業務に支障を来すことがあります。資産の寿命を正確に見極めるためには、資産ごとのメンテナンス記録や稼働状況をリアルタイムで追跡することが求められます。

多拠点における資産管理

企業が複数の拠点を持つ場合、それぞれの拠点でどのような資産がどこに存在し、どの状態にあるかを把握することは難しい課題です。これに対しては、クラウド型の固定資産管理ソフトの導入が効果的です。リアルタイムで資産情報を共有することにより、管理が容易になります。

固定資産管理の効率化方法

固定資産管理の効率化には、技術の導入が鍵となります。ここでは、特に効果が高い方法をいくつか紹介します。

固定資産管理ソフトの活用

固定資産管理ソフトは、資産のライフサイクル全体を自動的に追跡し、管理することができます。これにより、資産の取得から廃棄までの全過程を一元管理し、コストと時間の削減が実現可能です。

RFID技術の導入

RFID（無線周波数識別）技術を使用することで、資産の位置情報や状態をリアルタイムで追跡することが可能になります。これにより、手動で行う棚卸作業が効率化され、資産管理の精度が向上します。

クラウドベースの管理システム

多拠点にまたがる企業では、クラウドベースの固定資産管理システムが有効です。インターネットを通じてリアルタイムに資産の情報を共有できるため、どこからでも資産の状態を確認することができます。

固定資産管理の効率化なら『備品管理クラウド』

アストロラボ株式会社の『備品管理クラウド』は、固定資産管理機能により固定資産管理を効率化します。

備品管理クラウドの償却資産管理

備品管理クラウドは、同じアイテムに対して、目的の異なる備品管理と償却資産管理を同時に行うことができます。
総務担当者、経理担当者、顧問税理士など、償却資産管理にかかわる人が情報を共有できるので、めんどうなやりとりを減らせます。
税務申告に必要な固定資産管理ソフトの連携も可能なため、償却資産管理をスムーズに行えます。

備品管理クラウドの固定資産管理機能

備品管理クラウドは、固定資産管理ソフトと連携ができます。
固定資産管理ソフトの情報をCSVでエクスポートし、備品管理クラウドにアップロードすると、固定資産管理ソフト上で管理されている資産と、備品管理クラウドに登録しているアイテムを紐づけて管理できるようになります。

また、備品管理クラウド上にまだ登録がない資産については、新規アイテムとして備品管理クラウドに取り込むことができます。

固定資産管理ソフトを更新したあとで、備品管理クラウドに差分取り込みすることも可能です。

部署の壁を超えて情報を共有

たとえば、償却資産として管理する必要があるアイテムを購入したとき、購入担当者が備品管理クラウドに登録すれば、このアイテムがどういうものなのか顧問税理士もすぐに内容を確認できます。
今までのように、どういうアイテムかわからず、税理士から経理担当者へ、経理担当者から総務担当者へ聞く手間もなくなります。

移動や廃棄など、資産に関連する情報に変化があったときも、総務担当者が備品管理クラウドで更新した内容は経理部でもすぐに把握することできます。
もちろん、遠く離れた支社で更新された情報もリアルタイムに確認できます。

固定資産の棚卸

現物を確認するための棚卸も、備品管理クラウドで簡単に行えます。
備品管理クラウドに登録されている固定資産対象のアイテムと、実際のアイテムの状態が一致しているかを確認し、固定資産台帳の正確性を担保します。

また、備品管理クラウドなら、棚卸するために特別な機器を用意する必要もありません。
アイテムを利用している部署やスタッフが直接棚卸をできるので、備品を管理する担当者の負担が軽減されます。

このように、『備品管理クラウド』は、充実の固定資産管理機能で貴社の固定資産管理をサポートします。

『備品管理クラウド』に少しでも興味を持たれた場合は、下記よりお気軽にお問い合わせください。

まとめ

固定資産管理は企業の財務健全性と運営効率に大きく影響する重要な業務です。適切な管理体制と最新の技術を導入することで、固定資産の有効活用が促進され、コスト削減やリスク管理の強化が実現されます。これにより、企業は持続的な成長を達成し、競争力を高めることができます。