棚卸しを効率化！バーコード・RFID・クラウドの活用

棚卸しとは

棚卸しとは、企業や組織が所有している在庫や固定資産の数量や状態を定期的に確認し、正確なデータを把握するための作業です。製造業や小売業では、在庫の管理が業務に直結するため、棚卸しが非常に重要です。また、企業が所有している備品や固定資産の管理でも、棚卸しが欠かせません。

棚卸しは通常、定期的に行われるもので、企業の財務や会計処理においても重要な役割を果たします。棚卸しが正確に行われることで、帳簿上のデータと実際の物品や資産の状態にずれがないかを確認し、経営判断や将来的な在庫や資産の計画に役立てます。

棚卸し作業の実際の例

例えば、小売店では、商品の在庫がどれくらいあるかを正確に把握することが不可欠です。商品が売れた際に自動で記録されることもありますが、システム上の記録と実際の在庫が異なることがあります。これを確認し、在庫不足や余剰在庫を防ぐために、棚卸しが定期的に行われます。

一方、工場やオフィスにおける備品管理でも棚卸しが行われます。例えば、社員が使用するコンピューターやその他の設備の管理も、棚卸しを通じて状態や数を確認し、古くなった設備の入れ替えや追加購入の判断に活用されます。

棚卸しの目的

1. 適切な資産管理

棚卸しは、企業が保有する資産の正確な把握を目的としています。備品や物品の状態を確認することで、紛失や過剰、破損が発生していないかをチェックし、無駄な発注や余剰在庫を防ぎます。適切な資産管理は、企業の経営資源を有効活用し、コスト削減につながります。

2. 財務報告の正確性向上

棚卸し結果は、企業の財務報告においても重要なデータとなります。棚卸しで得られた正確な在庫情報は、決算時のバランスシートや利益計算に反映されます。特に、在庫回転率や原価計算においては、実際の棚卸しデータが重要な要素となります。

3. 不正防止とコンプライアンス強化

棚卸しは、企業内部の不正やミスを防ぐための監査機能も果たします。棚卸しの結果を帳簿と照合することで、記録ミスや物品の不正な持ち出しを早期に発見でき、不正行為の抑止効果をもたらします。また、外部監査や内部監査においても、棚卸しは企業のコンプライアンス強化に貢献します。

棚卸しの重要性

棚卸しは、単に物品の数を確認するだけの作業ではありません。企業の資産管理や経営の透明性に直結する重要な業務です。特に、以下の3つの観点で棚卸しは重要です。

1. 経営リスクの軽減

棚卸しを怠ると、物品の紛失や破損、過剰在庫の把握ができなくなり、企業の資産が無駄になってしまう可能性があります。さらに、実際の在庫と帳簿上の数字が大きく乖離すると、経営リスクが増大し、財務報告に悪影響を及ぼす恐れがあります。

2. 迅速な経営判断の材料提供

棚卸しの結果は、経営者が迅速かつ正確な判断を下すための基準となります。例えば、在庫が不足している場合は迅速な補充が必要ですし、過剰な場合は在庫処分や発注量の調整が必要になります。正確な在庫データがあれば、効率的な経営計画を立てることができます。

3. 信頼性の向上

棚卸し報告書を作成し、監査の際に提出することで、外部からの信頼性が向上します。特に上場企業などでは、正確な棚卸しを行うことが企業の信用を守る一助となります。

棚卸しの方法

棚卸しにはいくつかの方法があります。企業や組織の規模、業種によって適した棚卸しの方法が異なるため、自社の状況に応じた選択が必要です。代表的な棚卸しの方法として、「実地棚卸」と「帳簿棚卸」があります。

実地棚卸

実地棚卸は、現場で実際に物品や備品を確認し、その数量や状態を記録する方法です。例えば、倉庫内にある備品在庫を直接確認し、数量や破損がないかを確認したりする作業がこれに該当します。

実地棚卸のメリットとデメリット

実地棚卸のメリットは、実際の物品を確認することで誤差が少なく、正確な在庫状況を把握できる点です。特に製造業や流通業など、物理的な在庫を大量に扱う企業では、欠かせない方法です。

しかし、デメリットとしては時間と労力がかかるため、大量の在庫を扱う企業では作業が負担になることがあります。棚卸しのために業務を一時停止することが必要になる場合もあり、生産性に一時的な影響が出ることもあります。

実地棚卸の流れ

1. 棚卸表の作成

事前に全ての物品や備品のリスト（棚卸表）を準備します。棚卸表には、物品の名称、管理番号、数量、担当者などの情報を含めます。

2. 物品の実地確認

担当者が棚卸表を持ち、実際に物品を一つ一つ確認し、数量や状態を記録します。この際、バーコードスキャナーやRFIDなどのデジタルツールを活用すると効率化できます。

3. 結果の照合作業

実地で確認した結果を帳簿やシステムのデータと照合します。誤差や不足があった場合は、その原因を調査し、必要に応じて是正します。

4. 棚卸報告書の作成

棚卸結果をまとめ、棚卸報告書を作成します。棚卸報告書には、実際の数と帳簿上の数の差異や物品の状態に関する情報を記載します。

帳簿棚卸

帳簿棚卸は、物品を直接確認せず、帳簿やシステム上のデータを基に棚卸しを行う方法です。システムで在庫を管理している企業では、帳簿棚卸が一般的です。

帳簿棚卸のメリットとデメリット

帳簿棚卸のメリットは、物品の確認に時間がかからず迅速に実施できる点です。

しかし、実際の物品状態を確認できないため、物品の紛失や破損などを見逃すリスクがあります。

棚卸しの課題

時間と労力がかかる

特に実地棚卸しは、現場での確認作業が必要で、時間がかかります。企業の規模が大きく、在庫や資産が多いほど、作業にかかる時間が増え、通常業務に支障が出る可能性もあります。

ヒューマンエラーのリスク

棚卸しが手作業で行われる場合、ヒューマンエラーが発生するリスクがあります。数え間違いや記録ミスが起こると、最終的な在庫データや資産データが不正確になる可能性があります。

リアルタイムでのデータ更新が難しい

棚卸し作業が、紙やエクセルで作成された棚卸表を元に手作業で行われる場合、在庫や資産のデータがリアルタイムで更新されることが難しくなります。

棚卸しを効率化する技術

棚卸しの効率化を図るために、最近ではさまざまな技術が導入されています。これらの技術は、作業時間の短縮、ヒューマンエラーの削減、データの正確性向上に役立ちます。

バーコード

バーコードは、商品や備品に貼り付けられる縦線の組み合わせで構成されたコードで、専用のバーコードリーダーで読み取ることができます。バーコードを使えば、物品の数や情報を瞬時に確認できるため、効率的な棚卸しが可能です。

バーコードは導入コストが低く、小規模な企業でも手軽に導入できることから、さまざまな業界で広く使われています。

QRコード

QRコードは、バーコードの進化版とも言えるもので、より多くの情報をコンパクトにまとめられる点が特徴です。スマートフォンやタブレットのカメラを使って読み取ることができ、バーコードよりも高機能です。

QRコードを使えば、物品の詳細な情報や履歴を簡単に確認でき、スマートフォン一つで棚卸し作業を進められるため、専用機器を導入する必要がありません。

RFID（ICタグ）

RFID（ICタグ）は、無線通信を使って情報を読み取る技術です。RFIDのタグが付けられた物品は、RFIDリーダーをタグに近づけるだけで情報を自動的に読み取ることができます。これにより、視線が届かない場所にある物品や箱の中にある物品も簡単に確認でき、さらに同時に複数のタグを読み取ることができるため、棚卸し作業時間が大幅に短縮されます。

クラウド型備品管理システム

クラウド型備品管理システムは、インターネットを通じて備品の在庫や状態を管理するシステムです。クラウドを利用することで、どこからでもリアルタイムでデータにアクセスできるため、備品の在庫状況をすぐに把握することができます。さらに、複数の拠点で同時に棚卸しを行う場合にも、このシステムが有効です。

棚卸しの効率化なら『備品管理クラウド』

アストロラボ株式会社が提供する『備品管理クラウド』は、「棚卸はみんなで」をテーマに、チーム全体が協力して効率的に棚卸を行うことができる機能を提供しています。各メンバーは使用している備品を確認・更新することで、迅速で正確な棚卸しが実現され、棚卸が簡単に素早く行うことができます。

備品管理クラウドの棚卸の流れ

1. 棚卸計画

棚卸管理者が、どの場所でどのアイテムの棚卸を、誰が担当するのかを計画します。

2. 棚卸の依頼

棚卸計画が作成されると、棚卸担当宛てに棚卸実施依頼のメールが届きます。

3. 棚卸の実施・報告

棚卸担当者は、棚卸実施依頼のメールに記載されているリンクをクリックして、備品の状態を報告。
備品に問題なければ、ボタン一つをクリックするだけで簡単に棚卸が完了します。

4. 棚卸の進捗確認

棚卸の進捗は管理画面から円グラフで簡単に確認することができます。

スマホアプリで棚卸しが可能

備品管理クラウドはスマホアプリを使って棚卸しが可能ですので、スマホ一つで棚卸しを完了することができます。

QRコードやRFIDを使用した棚卸しにも対応

備品管理クラウドはQRコードやRFIDを使用した棚卸しにも対応しています。

QRコード

備品に貼り付けられている備品管理ラベルのQRコードを撮影するだけで棚卸しが完了します。

RFID

備品に貼り付けられているRFIDのタグをリーダーでスキャンするだけで棚卸しが完了します。

このように、『備品管理クラウド』は、棚卸機能を通じて棚卸業務の効率化をサポートします。

『備品管理クラウド』に少しでも興味を持たれた場合は、下記よりお気軽にお問い合わせください。

まとめ

棚卸しは、企業にとって重要な業務であり、在庫や固定資産の正確な管理を行うためには欠かせません。従来の手作業による棚卸しは時間と手間がかかり、ヒューマンエラーのリスクも高いため、効率化が必要です。

バーコード、QRコード、RFID（ICタグ）、クラウド型備品管理システムなどの最新技術を活用することで、棚卸しの効率化が図れ、時間やコストの削減、正確なデータ管理が可能となります。これにより、社員が本来の業務に注力できるようになり、業務の生産性向上にもつながります。